引退表明を報じた2026年5月2日付スポーツ報知1面を手に笑顔の錦織圭(カメラ・吉松 忠弘)
【ワシントン26日=吉松 忠弘】男子テニスで元世界ランキング4位の錦織圭(ユニクロ)が26日、1回戦(日本時間28日午前6時以降開始)に臨むムバダラDCオープンを前に記者会見を行い、会見後、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。引退は「強制終了だった」と語り、その言葉からは、テニスを大好きで仕方がないのに、けがでやめざるを得なかった無念さを漂わせた。残り少ない現役生活を「全ての瞬間を楽しみたい」と、少しでも前を向いた。 【写真】錦織圭、元モデルの舞夫人とウェディングショット × × × × 無念だったに違いない。「けがでやめるのだけは嫌だ」と、何度も聞かされてきた。それを選択せざるを得なかった悔しさ。錦織は小さな声でつぶやいた。 「最悪です…」 あれだけけがに抵抗し、立ち向かった錦織が、心の折り合いをどうやってつけたのか。 「折り合いをつけたも何も、もう強制終了のような感じ。電池が本当にない、ゼロの状態なんで」 そして、口調が少し強くなった。 「やっぱり、けがで辞めるのは、一番、自分の中で最悪なシチュエーションだけど… もう有無を言えないというか、もうしょうがないよねっていう感じ。この状態じゃ、もう戦えない」 全身が悲鳴を上げていた。練習で必要な負荷をかけると、すぐに痛みが出た。 「まず、肩。それも両肩あって。そして左膝と腰。腰は結構大きいかな。練習すると痛みが出て、なかなか思ったような練習ができない。もちろん、それで試合がうまくできるはずもない。ここから、また1年をかけて、自分のテニスや体を戻して戦うという決断が、メンタル的にできなくなった」 これまで、「うまく試合ができなくても、まだ練習やトレーニングに行くのが楽しい」と話していた。しかし、その最後のとりでが崩れた。 「ちょっとずつ、練習に行くにしてもトレーニングするにしても、足が重くなっていった。気持ちがついていかなくなった。楽しさが消えてきた。その感情は、今まで全くなかった。その時、ちょっとそういう(引退の)決断もあるのかなって考えた」 きっかけは、2025年8月のシンシナティ・オープン1回戦だった。世界47位(当時)のカミロ・カラベリ(アルゼンチン)にストレートで敗れた。 「相手には本当に申し訳ないけど、全然強くない相手にこんな簡単に負けるんだという自分がいた。前にも話したけど、自分にすごく残念だった。そこで、また腰まで痛みが再発。ここから1年、楽しいわけもない苦悩する1年を過ごすのかと思ったら、まあ(引退が)ちょっと見えてしまったというか。でも、まだ10か20%ぐらいよぎったという感じで」 そして、ついに決断の時が来た。(後編に続く)
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