恋愛経験や結婚への思いを打ち明けるアラフォーの女性=5月下旬、熊本市中央区
50歳までに一度も結婚したことのない人の割合は、男性が約4人に1人、女性が約6人に1人。今の日本で「おひとりさま」はかなり身近な存在だ。恋愛事情は? 将来に不安は? 熊本県内の30代~50代の未婚男女4人を取材し、本音をさらけ出してもらった。(熊日ベータ版編集部) 推し活以外に興味なし 医療関係の仕事をするユキノさんはアラフォーの域に入った30代女性。「これまでに一度も男性と付き合ったことがない」という恋愛未経験者だが、焦りはない。「結婚に縛られずに自由でいたい。アイドルの推し活以外に興味が湧かないので、結婚願望はない」と言い切る。 「将来のことを考えるのは苦手」で「今を楽しく生きたい」と考えている。今のところ特に不安はないが、「どうやって人生の最期を迎えるのだろうとふと考える時はあります。妹やおい、めいに協力を仰げないか、今のうちから相談しておこうと思います」。自由で楽しい人生を求める一方で、それだけではないかもしれない将来も意識している。
「老後や終活に焦りを感じるようになった」と話す50代後半の男性=5月下旬、熊本市中央区
同じアラフォーの30代女性で事務職のアヤカさんは、結婚について「特に焦りはない。親からは『婚活しなさい』とプレッシャーがかかってますけど」とのんびり構える。「老後を一人で過ごすのは寂しい」と将来に不安を抱く一方で、夫の愚痴をこぼす周囲の女性を見て、結婚が幸せなのか疑問を感じることもある。 恋愛経験は2年前まで1年ほど交際したのが最後。親へのあいさつまで済ませた交際相手もいたが、「お金への価値観が違うと思って」結婚には至らなかった。「20代の頃に5年付き合った元カレへの思いをいまだに引きずっている」のも足かせとなっている。 「2名様から」地味に傷つく 50代前半の女性で介護職のミカさんには苦い記憶がある。 結婚を考えた相手が「究極のマザコン&シスコン」だった。何事にも首を突っ込んでくる母親と姉の態度に将来が思いやられた。そして結婚式場を決めに行った当日、相手から高額の買い物をしたことを告げられ、「大切なことを決めるのに何も相談しない人」と気持ちが冷めた。
それから15年ほど恋愛から遠ざかっている。年齢とともに周囲の「圧」は和らぎ、「今は誰も私の結婚について触れない」。 気ままで快適な独身生活を楽しむ半面、「旅行ツアーの案内や宿泊施設の『2名様から』が地味に傷つく。どこに行くにも一人なので、スマホの写真フォルダーが風景の画像ばかり」と自虐気味に話す。老後の蓄えや親の介護など不安も頭をよぎるが、「考え過ぎても仕方ないので、今は元気に生きよう」と自分を鼓舞する。 50代後半の男性で自営業のコウスケさんは、20代の頃に結婚を考えた女性が3人いたが、いずれも踏み切れなかった。「自分の自信のなさ」を理由に挙げる。交際中の女性の実家で使った避妊具が相手の親に見つかり、信用を失って別れを招いた失敗談もある。 7~8年前までは「子どもが欲しい」という思いから結婚に焦っていたが、今では老後や終活に焦りを感じるようになった。「自分の『最後』を考えると、きちんとした関係の人がいたらと思う。ときどき一緒に過ごせる関係のパートナーがいれば、それでも構わない」。週末婚も選択肢に入れる。
小さなつながりをいくつか 温度差はあるが、4人の男女は結婚しない人生に不安や不透明感を口にした。多くの「おひとりさま」に共通する思いなのだろう。 熊本を拠点にウエディングプランナーや婚活コーディネーターとして活動する平田民子さんは「結婚せずに老後を一人で過ごすことになっても、友人、職場、地域、趣味の仲間など、小さなつながりをいくつか持っておき、何かあった時に相談したり、助けを求められるようにしておくことが大事」と助言する。 結婚している人も、熟年離婚したり、伴侶に先立たれたりして一人になる場合もある。人ごとではない。 「熊日ベータ版」のページはこちら SNSでも情報を発信しています
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