見逃さないで!胆道がんを疑う“黄疸・腹痛・体重減少”の初期症状

現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになると言われており、がんは身近な病気になっています。生活習慣によって予防はできますが、完全にならないようにするのは困難であり、早期発見・早期治療を行うことが何よりも大切です。「胆道がん」は胆道にできるがんの総称であり、発症した部位によって分類が異なります。

1.jpg

◇胆道がんの症状や罹患率

胆道がんは、がんが発生した部位によって、胆道がん・胆のうがん・乳頭部がんに分かれます。最も多くみられる症状は黄疸であり、続いて右脇腹の痛み・体重減少・発熱・だるさ・食欲不振があります。

胆汁には黄色のビリルビンが含まれているのですが、がんによって胆道が詰まったり狭くなったりするとビリルビンが血液に流れ込み、黄疸が出現します。多くは、皮膚・白目が黄色くなったり、尿の色が濃くなったりです。また、十二指腸に排出されるビリルビンの量が減るため、便中のビリルビン量が減り便が白っぽくなります。

胆道がんは初期での症状出現は少ないのですが、部位によって症状の出方が多少異なるため、少しでも気になった場合は受診するのがおすすめです。

◇胆道がんの原因とリスク因子

確実な原因はまだ研究段階であり、完全には分かっていません。「膵・胆管合流異常」「原発性硬化性胆管炎」「先天性胆道拡張症」など、他の病気が胆管にダメージを与えてリスクになることが知られています。また、糖尿病・肥満・メタボリックシンドロームも胆道がんのリスクを高めるといわれていますが、詳細は不明です。

日本での年間罹患率は2.2万人であり、全てのがんの中で12番目に多いがんです。単純計算では10万人に対して17人です。知名度は低いものの、決してまれながんではありません。

◇胆道がんの病期(ステージ)について

胆道がんの進行度は、がんの深達度、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無という3つの要素から成り立つTNM分類に基づいてステージが決定します。ステージを決定することは、その後の治療計画を立てたり、生存率の目安になったりするため重要です。

がんができた部位によって、胆管がん・胆のうがん・乳頭部がんに分かれるためそれぞれでステージ分類されます。ステージ分類としては、壁内に腫瘍がとどまっている場合はⅠ期もしくはⅡ期、隣接する臓器やリンパに広がっている場合はⅢ期、それより更に広がっていたり転移をしていたりする場合はⅣ期です。

◇胆道がんの検査と治療

最初に行われるのは、血液検査と腹部超音波です。無症状であっても、健康診断の血液検査から偶然発見されることもあります。胆管の内部を確認して、詰まりがあったり狭くなっていたり胆汁が貯まって拡張されたりしていれば、追加でCTやMRI検査が必要です。

治療は薬物療法もしくは手術が主流です。がんをなくすには手術で取り除くのが最も有効と考えられているため、切除可能な場合は手術が第1選択です。胆道がんの手術は解剖が複雑で血流が豊富な部位に及ぶことが多く、周りへの広がりが大きかったり他の臓器に転移していたりする場合は薬物療法が選択されます。

◇胆道がんの予後や再発

がんの治療成績の指標として5年生存率がありますが、胆道がんの予後は決して良いとはいえません。ステージが低いほど予後は良好であり、ステージが高いと5年生存率は低くなります。しかし、予後はあくまで過去の成績であり、治療法は日々進歩しているため、自分の状態を知り、担当医としっかり話し合いながら治療に取り組むことが大切です。

再発した場合、稀に手術できる条件が揺う場合は再切除が選択されることもありますが、多くは薬物による化学療法が主流です。最近の研究で新たな薬剤が承認されており、今後も治療法が増えていく可能性があります。

◇最後に

胆道がんは発症部位によってリスク・予後・治療法などが異なる複雑な疾患です。世界的には稀ながんですが、日本では発症頻度が高く、難治性とされています。しかし現在も研究は続いており、新しい治療法も拡大されています。少しでも気になる症状があれば、早期に医療機関を受診し、専門医と相談しながら前向きに治療に取り組んでいきたいものです。

Advertisement

Advertisement